48回定期演奏会は色とりどり、民族色豊かなメニューです ~コンマスインタヴューその2~

Q:シェヘラザードへの思い入れ、またシェヘラザードを楽しむポイントを教えてください。
A:異国情緒溢れる作品ですよね。その音による情景描写や心理描写の素晴らしさから、砂漠地帯の文化や民族の誇り‥血のようなものまで喚起されてしまいます(笑)。
ソロ・ヴァイオリンをはじめ様々な楽器にソロがあり象徴的なモティーフを奏でますが、そうしたモティーフたちは曲の冒頭から終焉まで幾度となくたち表れます。それらモティーフが、物語が進むなかで(同じモティーフでありながらも)より深みや表情の違いが増していくところが見事です。
音楽が表す事の中に、物語の情景や心情などを思い描きながら、ただ五感が感じるままに楽しんでお聴き頂ければ幸いです。

Q:ドリーについてはいかがでしょう?
A:ドビュッシーの再婚相手の娘さん(愛称;ドリー)のお誕生日の機会にお祝いに書かれた4つのピアノ曲に、5曲目(やさしさ)と6曲目(スペイン風ステップ)を加えて全6曲からなる作品です。
作品一つ一つに標題があり特徴的な曲が並びます。可愛らしさやチャーミングな曲の中にも、フォーレ作品の持つ古式ゆかしい響きや心の深み、そして伸びやかさも聴いてとれると思います。

Q:48回のプログラム全体に対して一言お願い致します。
A:オープニングの「ルスランとリュドミラ」も加えて、色とりどり、民族色も豊かなメニューです。
それら素晴らしい作品世界を通じて、人間の編む物語りを通じて、一生懸命舞台をつくるオーケストラとそれを聴き届けようと足をお運び下さる客席の皆さんとで、その時にこそ何かが共有できる、そんな素敵な時間となることを願っています。
  • Commented by sakai-vn on 2012-08-17(Fri)